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【29】 食べ物の話し
■ Auberge du Presbytere(セニョン) 
これは、BSで彼女が泊まる宿だ。6時ころ、「食事できますか」なんていったら、食事は8時から、といわれてあきらめた。客室からのながめがすばらしそうなので、いつか泊まってみたい。表は泉の広場に面しており、場所もよい。そう、セニョンはなかなかいい村ですよ。 
 さて、では、とセニョンで「パンも肉も酒も売る」食料品店に入って、「野菜サンドはできますか?」と聞いたら、「サンドはできないけど、サラダは出来る」といわれ、店の片隅のテーブルに座る。パン、サラダ、赤ワイン、フォアグラのパテなんて適当にだしてもらって、1000円程度だった。このおばさん、親切だったし、かえってこういうとき、「ああ、旅をしているんだなあ」という気分にひたれる。 

■ アルルの街で、カマルグ風のお魚スープをたべました。 
 わたしがもたもたしているとマスターが、「こうして食べるんだよ」と生のニンニクを固いパンの断面でおろして、それに千切りチーズをのせてスープに浸す食べかたを教えてくれた。へえっ、て感じです。  

■ ニース郊外のカップフェラ(Cap Ferrat)で泊まった宿 
 よくある「レストランの2、3階が客室」で、民宿みたい。朝、「今晩ブイヤベースが食べたい」なんて頼んでおいて、日中に材料を買い出してもらって、夜食べるという、贅沢な事を2度しました。4人で泊まったからできたわけで。そう、オウナーは、ご夫婦で、目の前で鍋から皿にもってくれました。 奥さんは、「先日の日本のお客さんはハシがほしい、といってましたが、皆さんはいりませんか?」なんて聞いてきたりして。フランス語では、ハシも長いパンも「バゲ」ですから、ご注意の程を。
  事前に久保田さんからアドバイスをもらっていたので、レストランはそこを重点的に回りました。 
 しかし、悲しいかな、わたしの表現力では、微妙な味わいを紹介することが出来ません。ご容赦を。 

■ Le Fournil(ボニューにある) 
 久保田さんから推薦されたので、予約を入れて フルコースにいどんだ。家族的、というけど、なかなかの高級料理。田舎ふうでありながら、それなりの風格がある。内装は白が貴重で天井が高く、のびのびできる。わたしは1人、ということで、1人でも侘しくならないように気を配って席をつくってくれていました。 
 両サイドから粒々ではさまれたフォアグラのパテがなんとも言えずデリケートな味を作り出す。メインは、白身のお魚。これは贅沢だ。 
 注目すべきは、2人のギャルソンの身のこなし。満席だったので、あれやこれやと忙しい。彼らの動きはロボット、あるいは訓練のときの消防士のようにきびきびして早足だ。7時半から9時半迄の2時間のために、1日のエネルギーを集中投入しているようだ。 
 さて、最大の心配事は、酔っぱらい状態で異国の山道を10キロほど運転して宿にもどることだ。来るときに、とにかく交差点をしっかり頭に叩き込んできた。ま、対向車はほとんどないので、迷子と脱輪に気を付けれればよいだろうが、慎重には慎重、3、40キロの安全運転で無事民宿にたどりついた。

 
リュベロンはボニュにあるレストラン「ル・フルニル」 (97-9-17撮影)
城塞のようなセニョンの村

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