ナビゲーション
デジタルビデオと行くシルクロード
14、車中の楽しみ
さて 、このあたりは本当に砂砂漠ではなく、非常に変化に富んでいて、外を見ていても飽きない。
道は、ときどき曲がるし、上り下りもある。とこどきオアシスがあらわれてくるし、第一、いつも人が見えている。歩いている人、ロバの人、自転車の人。とにかく人が多いのだ。
皮山の分岐で止る。こんなところで降りて、皮山の町は地平線の先だけど、そこまで歩いていくのだろうか。気が遠くなる。
2人のウイグル人の運転手は、とにかく体格がよくて、頼りになりそうだ。 運転手の後ろの高い所にある荷物だなのような構造物は、交替運転手のベッドだ。 彼らは、ダッシュボードにペットボトルの水をおいて飲みながらの運転だ。
このウイグルの運転手はカーステレオ(そういえばすごいものが付いていた物だ!)でウイグル音楽を大きな音でかける。いやが上にもシルクロード気分がもりあがってくる。
写真1
トランプをする男たちを見るウイグルの少女。こんな優雅な車内風景は2度と再現されることはなかった。

写真2
バス停で停車中に物売りがやってきます。お茶は「チャ」といいます。
 

それにしても よく揺れる 。(後から振り返れば、これはもっとも揺れない区間だったのではあるが)窓は、ガラスに直接取っ手をつけた、水平スライド式だ。ところが、この窓を半開き状態にすると、ガラスが無限の回数の振動を繰り返す。取っ手の部分に応力集中が起きるらしく、多くのガラスはそこからクラックが入っている。
このバスのガラスもテープで止めてあったのが、振動ではずれ、ついに窓ガラスが上下に分離した。危ないので、窓ガラスごとはずしたが、寒い時期でなくて良かった。
車メーカは、新車を開発したら、まずタクラマカン砂漠を時速100キロ以上で1周することをすすめる。これで設計上の弱点があらいざらいになる。まるで、「疲労テスト」、「ねじ弛みテスト」、「高温耐久テスト」そのものだ。

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