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デジタルビデオと行くシルクロード
2、シルクロードはバスだ
シルクロードはバスだ 。それほどバスのはたしている役割はおおきい。これって、とにかく大勢の人たちが住んでいるからではないか。
そして、いたるところに大小・新旧とりまぜた満員バスが走っている。
写真1
いろんな形式のバスたち。すべて、例外なく、エンジンは運転席の横にあります。これは、室内からメンテナンスができるためです。なんと、夜間に修理できるよう、天井から専用の白熱電球がぶら下がっています。つまり「エンジンは壊れるもの」という想定です。実際、よく壊われ、しかもそれが自力で直るのです!

写真2
途中のサービスエリアもどきで休憩する長距離、中距離バス。左手後方が2段ベッドつきのウルムチ行き。(2階建てではありません)
 

ウイグルは 「臭い、汚い、まずい」だという。これは、的を得ている。
どこでも排泄物の匂いがし、水道がなくてほこりっぽく、料理は貧相である。
シルクロードは「苦しロード」というのがほんとうだそうだ。揺れるバスによる移動は、苦難以外の何物でもない。

バスに乗っているあの辛い時間は、まさに汗をかいての山登り。そこにはたくさんのウイグルの人たちがいる。シルクロード旅行には登山に通じる物があるようだ。



シルクロードの 最大の特徴 、そして魅力は、このバスとウイグルの人たちではないだろうか。
好奇心にあふれていて、人なつっこくて、親切で、(言葉が通じれば)すぐにもお友達になれそうな・・・
泥の家に住んでいながら、そのまま原宿を歩いたらみんなが「ナウい!」と振り返りそうなファッションの女性達。とにかく物が不足する中でも、おしゃれだけは手を抜かない。
日本のパッケージツアーのパンフを見ると「専用バスで移動」と書いてある。 これって、ホテルからホテルまでクーラーのついたバスで名所・旧跡で止りながら移動するんでしょ? これでは、ヘリコプターで山の縦走をするような物じゃないの?

エネルギー浪費、情報洪水のなかに住んでいてこの地に赴くと、決してわれわれの生活の方が「進んでいる」とは言えないことを実感する。一方、いつの日かこの人たちが車を持ち、家に冷房をいれてときのエネルギー消費を考えると、背筋が寒くなるが。

  写真3
ウイグル文字と漢字で書かれた行き先を示すプレート。「漢字が読めてよかった!」と思いますね。
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