手には カラーのパンフをもっており、明日、観光に行かないか、という勧誘だった。 わたしは、すでに予約をした、といったが、400元を350元にまける、といってくる。残念だが、いまから博物館の件を断ることは困難だ。
以上、筆談と身振りである。 新彊の朝は遅い。なにせ、本来なら2時間はやい北京時間にあわせているのだから。このホテルは、新市街(漢民族主体)からわずかだけ旧市街(ウイグルの人たちの町)にふみこんだところにある。まだ暗いうちから、あちらからもこちらからもニワトリ、ウシ、ヤギの泣き声がひっきりなしに聞こえてくる。密集した農家がはるかむこうまで続いているのだ。
彼女は、きのう「バス」と言った。 わたしは「バスはどれ?」と聞いた。「これがバスだ」赤いシャレードをさす。まさか! これがバスなら、シルクロードを走っている乗り合いは何と言う!
どうやら、400元でこのシャレードを1日貸し切るらしい。なら、地球に書いてある費用とあう。本当は数人でシェアしたい所であるが、とにかくほかに観光客なんてみたことがない。
きちんとした身なりの男がタクシーの運転手、もう一人が小型トラックを運転してきた人で、彼女の夫かもしれない。