ナビゲーション
デジタルビデオと行くシルクロード
27、ウイグルホスピタリティー

いきなり 、その青年が「自分の家に来ないか」という。ウイグル人の家にまねかれるなんて、とてもラッキー。でも、どこにあるの?すぐいくの? どうやって?

で、全員5人で赤い軽のタクシーででかけた。そこは、バザールの通りから南にちょっとはずれた旧市街であった。通りで下車して、50mほど小路をはいったところに、彼の家はあった。

意に反して、家族はどこかに出かけているようだった。
タクシーにのっていた男女はいつのまにか消失していた。

写真1
彼の家は左手の民家の並びにあります。

扉をあけて 土の塀に囲まれた屋敷に入ると、いちじくなどがはえている前庭がある。
家の中は、土間にじゅうたん敷きの板の間がある居間。当然、薄暗い。
部屋に囲まれて、屋根のないヤギ小屋がある。1頭のメスのやぎと、犬がいる。
彼は、よく手をあらうように、と水をかけてくれる。結構、清潔の観念は徹底している。

写真2
庭先で「地球」を読む姉さん。
 

広い縁側風のところで 、前庭をみながら、お茶をいただく。
そのうち、どこからか買ってきた春雨のようなパン(パンの材料が太目のスパゲッティーのようにとぐろを巻いて山盛りりにしてある。)焼いたマトンを出してもらう。それに、どんぶりにいれたお茶。
そのうち、まだ20代とおぼしき姉さんが赤ちゃんを抱いてやってくる。
彼女も好奇心が強く、10分以上地球を読んでいる。


どうして 英語を勉強しているのか教えてくれたが、ボロボロになった教科書と、厚いウイグルー英語辞典だけが教材で、すべて独学だという。すごいエネルギーの人だ。仕事は、butcherだという。

わたしは 、ある限りの携帯食を出して応えるが、限りがある。
赤ちゃんがカロリーメートを1本食べそうになるのであわれてて、制止した。赤ちゃんに1本は危険だ。

  写真3
帰宅時刻のクチャの街。

そのうちに 、普通の服を着た中国系の女性が入ってくる。
彼女は、恥ずかしそうにしているが、多少英語を解する。近くに住んでいて、中国人ではなく「回族」だという。
わたしは「なぜあなたはここにやってきたのか」と後から考えると野暮な質問をした。

2人の行動から、どうやら恋人どうしらいことがわかった。
2人で熱心にわたしの手帳に住所を書いてくれた。
写真を送るときは、このウイグル文字をスキャナーで取り込んで、封筒にプリントしよう。

さて 、8時になったので、おいとましましょう。
表通りでさようなら、をいいながら、わたしはまたすばらしい出会いをした、とバザールの方に歩いていった。ちょうど太陽が落ちる時間であった。

ページの先頭へ