夕方、 ウルムチ着 。飛行機は、後ろの機内の階段を降りて直接地面に降りる。イリューシン独特の不思議な構造だ。これらは、軍事利用を考慮してのことだろう。たしかに、727も後ろの正面から地面に降りられるが、大きなイリューシンの場合は、途中で階段が折り返しになる。
ターミナルビルを出ると、うるさく客引きが来る。一応、空港のホテルに目星をつけておいたのに、どれがそのホテルかわからない。
「おれが空港ホテルの人間だ」という人の車で、そのホテルにむかうが、どうやら「地球」にかいてある空港ホテルとは別物らしい。でも、まあ、それほど高くないし、いい建物なのでよしとする。
空港からホテルまでは、まさにシルクロードのポプラ並木である。
それにしても、ポプラの幹の下の方1mくらいに白いペンキが塗られているのは、なんのためだろう。このペンキは、ウルムチのポプラだけに施されていた。
夕暮れ時、夕涼みがてらホテルの前の道を散歩する。乾いた空気。男達は、テントの下で玉突きに興じている。夕食は機内食ですませた、と自分に暗示をかける。 |