ナビゲーション
デジタルビデオと行くシルクロード
9,ホータンに着いたはいいが・・・
ほぼ 満席のツボレブ は、ホータンのオアシスが砂漠に変わる、ちょうどその境目にある空港にスムーズな着陸を行った。
タラップのまわりに大勢の軍の関係者が集まってくる。きっとVIPか誰かがのっているのだろう。
さて、荷物を持って地上に降りる。なにか変で、こちらへ、という誘導もない。でも、どうやらフェンスのドア部分が出口らしい・・・
地球では、町までバスが出ている、とあるがそれらしいバスがない。
大体、必ずいるはずのタクシーの客引きがない。いや、タクシーそのものがない。いままであちこちの空港は利用したが、タクシーのいない空港は知らない。
じゃあと、他の客を見ると、一部出迎えのある人以外、すぐに動き出す気配すらない。
駐車場には数台のバスを含めて沢山の車が止まっているが、どれが個人の物でどれが乗り合いバスなのかすらはっきりしない。確かに「皮山」と書いた無人の大型バスが止っているが、皮山がどこにあるのか分かるはずもない。
写真1

写真2
ホータンのバザールの靴屋の店頭で呼び込みをする少年。
 

ここであわてると 男がすたる。それにまだお昼だ。あわてることはなにもない。
と、地面に座って、機内食の残りを食べながら、地球を出してみる。町まで10キロとある。歩くのは無理だ。
さてと、と見回すうちに、30歳くらいの男女3人組がやってきて、助けてくれそうな気配だ。
どうやら、中国語も話せるウイグル人みたいだ。私が市内へ行きたがっていることは分かってもらえた。
「ここへはタクシーは来ない。タクシーは電話で呼ぶのだ」と言っている。
でも、電話でタクシーを呼ぶなんて、私に出来るわけがない。
「・・・・・・」と答えておくと、じゃ、と女がターミナルビルに行き、やおらもどってくる。
メモを取り出し、「xxxxxxに掛けた。xxxx番のタクシーが来るはずだ。15分ほど待て」といっているように見えた。そのとき、彼女がモトローラのポケベルを持っているのを発見して仰天した。この「地の果て」みたいな所で。
わたしのために電話してくれたのだろうか。なら、電話代ぐらいは払わねば、と小銭を渡そうとすると、「いい」という。


地球と中国語会話の冊子をみながら談笑(もどき)をしているうちに、 赤いタクシー がやってきた。
よかった、よかった、と後部座席に乗り込み、運転手に地図を見せて「中国銀行のある交差点へ」と指示をする。
と、びっくり、後部座席の両側から彼らが乗り込んでくる。そして助手席にも。
あれあれ、彼らも町へ帰るの? どうも話しが見えない。ま、いいか。
ポプラ並木をクラクションでロバ車をかき分け、一路、ホータンの町へ。
繁華街の十字路でタクシーは止り、彼らは「バイバイ」といって降りていく。当然、金は払わない。
これを「ただ乗り!」と攻めるにはあまりにもあっけらかんとして陽気な人たちだった。それに、彼らがいたからこそタクシーに乗れたわけで。
さて、その交差点からタクシーは西に走り、中国銀行の構内で降ろされる。
どうやら、中国銀行は、新築移転したらしく、地図の場所とちがう。私は中国銀行ではなく、「中国銀行のある交差点」を指定したのだが、そんなことが伝わる訳がない。
やれやれ、ここはどこなんだろう。
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