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20 シリーズをおえて 



最後に、あれからちょうど1か月になる今、なぜあの2週間がこれほど印象深い ものであったのか、冷静に分析してみました。

学校が、先生が、ロケーション*がとてもよかったことは、すでに述べました。 (* とりわけ海がある、というのはすばらしかった。毎夕、海岸で至福の時をす ごすことができました。)

でも、それ以外に:

・私のクラスの場合、ドイツ、ノルウェー、スコットランド、日本そしてフラン ス(先生)と、多国籍な構成であった。 これは、異文化交流、という点でとても興味深かったし、お互いにそのことを楽 しむ事ができた。

・授業が1日4〜6時間、期間が2〜3週間と、おたがいにうち解け合うのに十 分な長さであった。

・授業が「講義タイプ」ではなく、「参加型」であったため、おのずと各人のキ ャラクターがはっきりでてきて、お互いをよく知り合うことができた。ロールプ レーのように、ペアを組む場面も多く用意されていた。

・だれかに指示されてやって来たのではなく、フランス語が好き、フランス語が 上手になりたい、という自分自身の意志で、そして多くの場合、自分自身の負担 でやって来た。これは全員がもつ「共通項」であった。

・全員が、みずからすすんで話しかけよう、行動しようという積極的・外交的な キャラクターをもっていた。そして、肉体年齢に関係なく(16才のイルバも5 5才のジョルジュも)、みんな大人の、しかも青年の気持ちを持っていた。

・授業以外の交流が適度にできる時間配分になっていた。  〜 学校でいっしょに食べる朝食、朝のコーヒーブレーク(約20分)、食堂 での昼食(オプション)、食後の自由時間など。

・自由に使う事ができる週末と月曜日の午後。

・全員が異郷にいるため、とまどいや悩みを共有している。  〜空港までどうしたら一番安くいけるか、クリーニング屋は、二段ベッドにハシ ゴがついていないがどうしよう、etc.

わたしには、いままでにいろんな仲間とのキャンプや、合宿研修の経験がありま す。しかし、異文化、異言語のなかまがいっしょになる、ということはありませ んでした。比べてみて、今回はやはりそのインパクトが大きかったように思いま す。多分、青年海外協力隊とかPKOでの選挙支援などという活動では、これに 近い状況だったのでは、と思います。

最後に忘れてならないこと。それは、フランス語を勉強する事それ自身が楽し い、すなわちフランス語が持つ魅力でした。